ALKALIANGEL TYPE-II  
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ショートストーリー
ランチ

テーブルを外に出してランチをならべた。
まるくてしろいテーブルからはみだしそうなメニューに、たべきれないよ、って両手をあげる俺のむかいで、ハイネルはしずかにわらってる。
秋の陽ざしはつめたくてあかるいから、たべてるのか寝てるのかわからなくなる。
ついぼんやりすると、ワインがグラスからこぼれて、みどりいろの芝生がきらきらひかった。
あまい液体がテーブルをつたっておちる。
あたまのうえで、ちいさな雲がゆっくりながれてく。
ハイネルはちいさく声をたててわらって、ゆっくりグラスをかたむけた。
ぴしゃぴしゃと、ほそい水流が陽ざしをすいこんできえる。
太陽がこぼれてる、そう言った俺にむけて、ハイネルはからになったグラスを芝生にころがした。
フォークにぐるぐるまいたパスタをとちゅうでほうりだして、くちもとでやんわりわらってる、ハイネルの横顔を見る。
うすいいろのくちびるが、やさしいかたちでこう言った。
「おしまいにしようか、今日で」
「なにを?」
「わたしたちを」
ハイネルはわらってる。
おしまいにしようか。
秋の陽ざしはつめたくてあかるい。
雲とおんなじに、時間はゆっくりながれてる。
それもいいな。
「そうだね、それもいい」
目をほそめると、ほほえむハイネルがとけて見えた。
ふたりでこぼしたワインが、あまく、地面をひたしてく。
やわらかくたわんでる芝生に目をおとしたまんま、ハイネルはわらってる。
たったいま、俺のものじゃなくなった笑顔に、ほおづえをついてこう訊いた。 
「で、よりをもどすのはいつにする?」
ハイネルは、とびきりきれいに、わらった。

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