スラップスティックス[2] >>『真理と相反する條理に、従服姿勢。』

そんなわけで、疾風怒濤のヴァージン・ナイト(というかなんというか)をなんとかやり過ごし、精神的消耗著しいなか、さそわれるままにファクトリー近くのハイネル宅で夕食をとっているグーデリアンである。

一夜明けていっそう恐慌状態のかれをよそに、ダイニングはいつもどおりに清潔で、なんらやましいところなく、主のイメージそのもののクリーンさだ。
白いテーブルにならぶ、質素ながら品よいいろどりの手料理も、健全な夕食のスタンダードモデルのようで、あまりにノーマルである。
さしむかいでサラダをとりわけている恋人は、丈のゆったりした白いシャツとアップル・グリーンのパンツで(グーデリアンにとっては)折れそうに華奢なからだをつつみ、アイロンのきいた折り目正しさと変わらずこぎれいな所作に、昨夜の口をはばかるいろんなアレはわるい夢だったのではとなかば確信してしまう。

それはもう、たいがいのことはとりあえず口に出してしまうグーデリアンでも、二の句がつげないものすさまじさだったのだ、ゆうべは。
二の句がつげないので詳細はカットするが。

いや、あれは夢にちがいない。
あのハイネルが、(グーデリアンから見ると)女学生のように清楚でナイーヴなハイネルが、まさかのあんなことや、ましてや正視もできないようなそんなことなどを、率先してやったりしてほしがったりするはずないのだ。
いきおいこんで納得し、アボガド入り手巻きズシを2、3個口にほおりこんで、いいかげんに咀嚼しながら恋人を見やると、うつむき加減のうなじをおおうシャツの襟口からなにかの痕がのぞいて、グーデリアンはおおきくむせた。
「だいじょうぶか?」
びっくりしたように給仕の手をとめたハイネルは、グーデリアンが返事もできずにせきこみつづけていると、テーブルをまわりこんでわきにかがみ、なだめるように背をなでてくれる。
「バカだな、意地汚くつめこむからだ」
やさしい声音に感動し、 なにごともなかったかのような、いやごくふつうのなにごとしかなかったかのような『その翌日』的なほの甘い空気に、グーデリアンは幸福な一時的記憶障害におちいった。

やっぱりあれは悪夢だ。
生きててありがとう俺。

ふりむいて、ありがとうもうだいじょうぶ、と笑もうとすると、間近の襟もとからもっといろんなものが見えてしまい、グーデリアンはいっそう激しくせきこむ。
このまま窒息ではかなくなるかもしれない、と遠のきがちに覚悟していると、ハイネルが水をもってきてくれた。
やや蘇生して、心配げにのぞきこむ顔にひきつった笑みをかえすと、ハイネルは気をつけろよ、ともう一杯水をそそいで向かいの席にもどっていく。
新妻のようなかいがいしさと、いやおうなしの既成事実に、なにがなんだかたいがいわからなくなって、グーデリアンはそのまましばし放心する。
それ以上夕食にも手をつけられないでいると、ハイネルが不審げにまたたいて、
「どうした?腹でもこわしたのか?」
と訊いてきた。

きのうもおなじことを訊かれた気がする。

腸以外にも機能障害が起こりうることを、せつせつとかきくどきたくもあったが、いまはそのときではない。
このままではいけないのだ。
このままではなしくずしでなんかアレになってしまう。
なんかアレだけはまずい、ぜったいまずい!
にわかに意気込んだグーデリアンは、ハイネルがそそいでくれた水を一気にあおり、またむせつつもガッと前にのりだした。
「ハイネル、俺、かんがえたんだけど、あの、きのうの、」
「そうかグーデリアン、おまえもか!」
みなまでいわせず、ハイネルがぱちりと手をうちあわせた。
「わたしもそうおもってたんだ、やっぱりあのままではおたがい消化不良だし、それにこういうことは早いうちに検討して煮詰めておいたほうが、あとあと面倒もすくないし」
「は?」
なにがなんだかわかってないグーデリアンが二の句もつげないでいる間に、ハイネルはどこから取りだしたものかHDDプレイヤのリモコンを、手もとも見ずに操作する。
グーデリアンは、今日もさっそく疑問いっぱいである。
と、ハイネルが実家からかかえてきた、50インチプラズマディスプレイに煌々と映し出されたメニュー画面は、見まごうこともない、いっそ見まがってしまいたい、

「これ……」

くだんの疾風怒濤の一部始終だった。
手にした皿をカシャーンととりおとしたグーデリアンのお粗相には気づかず、ハイネルはリモコンで最初のチャプターを選ぶ。ピッと小気味よい電子音がして、再生がはじまった。
200万画素の総天然色特大ディスプレイのなか、ことばにするのをはばかられるようななまなましさで、件のアレがいまにも繰りひろげられんとしているわけである。
むろん、音声はデジタルサラウンドで。

「おまっ……こ……けっ……」

突発性語彙喪失もいちじるしいなか、グーデリアンはおもわずその画像のあざやかさに現代技術の粋を垣間見ずにはいられなかったが、そんなことぶっちゃけ今はどうでもいい。
「なんだ、だしぬけに下品なことばかり」
リモコンをわきに待機させつつ、ハイネルは平然と食事モードにもどっている。
刻々と進行していくディスプレイ中の事態を阻止すべく、しかし折り目正しいハイネルの食事作法に毒気をぬかれ、いちばん見てはいけないはずの動画方向を数秒間凝視してしまったグーデリアンであったが、我にかえったようブンと首をふり、こころしてつっこんだ。
「ちがうちがうちがーーーーうっっっ!!け、け、消しなさいこんなものメシ時に!!」
「あ、そうだったな、それじゃああとで、」
「あとでもダメ!!うわあぁぁぁ巻き戻すなって!!てコマ送りしてどーすんの!はやく消してーーーー!!!」

つい手もとがくるって一時停止してしまったり、音量を上げてしまったり、あげく編集モードにはいってしまったりと、こんなときに限ってなおっちょこちょい具合をハイネルがひととおり披露しおえたところで、ダイニングに静寂がもどった。

はやくも肩で息をしているグーデリアンは、中途半端に手がつけられた食事をはさんで、家の主をきっと見すえる。
「ハイネル」
「はい」
「ちょっとそこにすわりなさい」
「すわってるぞ」
「いいから!」
首をかしげつつもおとなしくすわりなおすハイネルにうなづきつつ、グーデリアンは我知らず声を落とす。
「……録ってたの……?」
「ああ」
「…………なんで?」
「それはやはり、やったらやりっぱなしでは向上をはかれんからな。ことあるごとに見直して、改善点を模索していかないと」
「…………」
なにをかいわんや。

べつに録るのはいい。
いやよくないのかもしれないし、突拍子もなさすぎるが、まあいい、おとなどうしだし、そんなんもアリなんである、正直。
しかしこのシチュエーションはあきらかにちがうのだ。
あかるく清潔なダイニングで、食事中で、テーブルマナーも整然と、やましさのかけらもないラヴアフェア上映会はありえない。
しかも、そこはそれハイネルらしく、モチベーションも前向きなんである。

世とかいろんなものをはかなんで 身投げしたり出家したりしたくなってしまったグーデリアンだったが、すんでのところで思いなおし、また意を決したようにふかく息を吸い、

「あの、今後はなるべく、録らないようにしてください……」

下手に出た。

「どうして」
まるで録るのが当然といわんばかりの迷いなさに、グーデリアンはテーブルと融合合体しかけつつ、消え入りそうにこたえる。
「魂抜かれるって死んだおばあちゃんにいわれてるから……」
「シーズン中は毎日のように録られてるじゃないか。変な奴だな」
「いいから!!!」
「わかりました」
いい返事である。

これでもかの高解像度デジタル、目を凝らすと毛穴まで見えます、な残像を、ぶんぶんと頭をふってふりはらっていると、ふいに、 ゆうべ一瞬気にかかったがその後があまりに波乱万丈だったので捨て置いた疑問が、いまさらながら浮上してきた。
すっかりうかつなグーデリアンは、やめときゃいいのにたずねてしまう。
「あのさ、きのう、風呂上がったあと、なんで服着てたの?ネクタイまでしめて。なんか……そういうしきたり?そっちの」
もう、ほとんどハイネルを人間視していないグーデリアンである。
「ああ」
ハイネルはハイネルで、そっちあつかいもまるで気にせず、躊躇なく即答した。
「そのほうが萌えかなって」
萌えってなんだ。
グーデリアンはかなり大きな字でそうおもったが、無用のあらそいは避けることにした。
このへんを追及して、痛い目にあうのは、おおむねかれ自身のような気がしたのである。
が、そこはそれ時すでにおそく、恋人が抜け目なく深追いしてくれた。
「着込んでるのを脱がすのがすきなんじゃないかとおもったんだが、考え違いだったか?ひょっとして、バスローブに靴下だけとかいうちょっとコアなほうがこのみだったとか?」
「いや、いいです。靴下はかなくていい。ネクタイ万歳。ていうか、そこまで気をまわしていただかなくてもけっこうです……」
「そうか?わたしはそっちのほうの趣味はないが、着てほしいものがあればなんでもいってくれてかまわないんだぞ。手配するから」
「……痛み入ります………」

わすれていたが食事中である。
健全な恋人どうしの食事時の会話として、 いいんだろうかこれは、まちがってはいないだろうか、ガスの元栓は閉まっているか?
なんだかいろんなことが気になりだして止まらなくなっているグーデリアンに、あきらかにまちがった方向でなにかを察したハイネルが、やけにシンパシーあふれる笑みをむけてきた。
脊髄反射で笑顔をかえすと、なげやりにフォークをにぎっていた手を、ふだんよりすこし体温のたかい両手がガッとつかんでくる。
「グーデリアン、」
十中八九ろくでもないことを言いだすのだろうが、他意のない笑顔はとてもかわいらしく、そこだけはほかの誰に異をとなえられてもゆずるまい、と知らず決心をあらたにするグーデリアンだったが、やはりろくでもなかった。
「交際期間1年以上のカップルのうち約56パーセントは性的嗜好の不一致に悩まされているという。わたしたちも負けずにがんばろう」
しかもポジティブだ。
ごつりと側頭部をテーブルにあずけ、グーデリアンはほぼ息だけで、でもつっこむ。
「なにそのやけに具体的な数字は。 なにに負けるのなにに」
「なんだそのやる気のなさは!」
いきなり怒られた。
ハイネルはガタリと立ちあがり、糾弾するようグーデリアンにひとさしゆびをつきつける。
「グーデリアン、おまえはそうやって甘く見ているようだが、 これは非常に重要な問題なんだぞ。いいか、セックスだ。毎日……はいくらなんでもやりすぎか、もとい最低週に3日はこなさねばならんのだ。いや、べつに毎日がいやだといってるわけじゃないぞ? ただほら、わたしたちはおたがい激務でもあることだし、欲望に流されてばかりはいられないということで、いやとにかく、食事のこのみとおなじくらい大切なことなんだ。いや、食事なら最悪べつのものを食えばいい。しかしセックスはどうだ?このみが合わないからじゃあべつで、というわけにはいかんだろうが!われわれの明るい未来を築くためには、まずはこの、セックスの問題に真剣に取り組まんことには、」
ハイネルはそのまま大またにテーブルをまわりこんで、弁舌も本調子のままグーデリアンのとなりに勢いよく陣取った。
「わかってるのかグーデリアン!」
「わかった!わかったから。努力するから。いろいろ連呼しないでおねがい」
イメージってもんがあるんだから、といまさらなことをつぶやきつつ、最低週に3日のくだりは聞き流す。ぶっちゃけ過酷だ。
「でもさ、それをいうなら、たぶんわすれられてるとおもうけど俺のこのみだってあるわけじゃんか。俺だってたまにはすきなようにやりたいわけじゃんか」
たまには、というところに早くも雇われ亭主の哀愁がただよっているが、なぜか横浜弁が出ている。
「なんだ?どんなのがいいんだ?どういうふうにしたい?」
ずい、と接近してきた好奇心と期待いっぱいの顔に、グーデリアンは反射的にあとじさった。
「そ、そんなにのりだしてこなくていいから 」
しぶしぶ後退する恋人のあたまを、グーデリアンはなだめるようになでてやるが、もちろんそんなことで丸くおさまるはずはない。
「うん、だからね、オレは……」

どんなふうに?
それはもちろん、 夢なんかいくらだってある。
やまほどある。
本にして出版したいほど具体的かつふんだんなボリュームで。

でも、それより、なによりも、なにはなくとも、
「ごくふつうに。ほんとふつうに。そう、いっそつまらないほどにノーマルに!!」
感極まって、涙ながらに力説してしまった。
「そうなのか?」
本気でおどろいている声に、多少傷つく。
ていうかずっといってるのに、という声は、こころのなかにそっとしまっておく、見た目よりもはるかにおくゆかしいグーデリアンである。
「……ほんとに?」
「ほんとに。」
あからさまにうたがわれている。
「なにかひとつくらいあるだろう。たとえば、イクときにおもいっきりむこうずねをつねってほしいとか、する前に腋毛を脱毛ワックスで抜いてほしいとか」
「ありません」
いい顔で返事した。
そうか、とひきさがるハイネルが、どこか残念そうだったのは、金輪際みなかったことにする。
しかし見てみぬフリをしたところで、恋人は期待をけっしてうらぎらず、こころのそこから不本意そうにこういうのだった。
「おまえがそこまでいうのなら、よしんばそれが本心でなかったとしても、わたしに異論のあるはずもない。じゃあ、今夜はうんざりするほど退屈に、フツウにやってみるか?」

今 夜 ?

今夜といっても今夜は昨日の今日で今夜なわけで、ていうかぶっちゃけやるの?やっちゃうの?

各種消耗が著しいため、本日は閉店とさせていただきたいきもちがいっぱいいっぱいの彼氏であったが、そこでノーがいえるようなら、ゆうべもあんな顛末になってはいないわけである。
承諾のような拒絶のような、不明瞭な音を出していると、ふとももにすとんと重みがくわわった。
え、と反射的に、うでのなかにおちてきたものを両手でささえると、なにくわぬ顔の恋人が、ひじょうに行儀よく、でもおもいっきりひざ上に、こしかけていたわけである。
「で、ものは相談なんだが、そっちはそれで譲歩するから、わたしのおねがいもきいてくれないか?」
ほとんど横抱きにされるかっこうのハイネルは、グーデリアンの首にうでをまわして、あまえるように小首をかしげた。
「あの、ハイネルさん?」
「なんだ?」
「どうしてそこにすわるの?」
「いけないか?」
「いいえちっとも。」
即答してしまった。
実際いけなくはないのだが、でもなんというか、間近の髪からはふわりといいにおいがするし、こんなにかわいくのっかって、あいらしくおねだりしてくれるなんて、もうなんでもきいちゃうかなえちゃう!とゆうべの二の轍をふんでしまいそうで、いや確実にそうなるだろうので、足のうらにイヤな汗をかかざるをえないのだった。
「で、おねがいって、なあに?」
でも極力夢を見られるように、うなじから髪をすきあげながら訊いてやると、ハイネルはくすぐったそうに首をすくめて、グーデリアンのみみもとで、ちいさくささやいた。

 

ほんとうにすみませんでした。

 

耳にはいりざまこころの中で(毎度のことながらうかつなじぶんに)謝罪したグーデリアンだったが、とりあえず声にも出してあやまってみる。
「あの、すみません、無理ですぶっちゃけ。」
もちろん、そうしたところで、ハイネルがなにひとつ曲げないのもわかっているのだが、しかしはかなくとも抵抗は肝要だ。コトがコトだけに。
「え、だってちゃんとしないと汚いぞ?わたしはもちろん病気はないが、でもまあ、万が一ということもあるし」
「いや、やるなっていってるわけじゃないの。そうじゃなくてね、そこはさ、こう、なに、ふたりなかよくするもんじゃさあ、ね?」
「それはもちろん、おまえはしなくていいぞ。やってくれるだけで」
やってくれる?

や っ て く れ る ?

「やらないから。マジで。こればっかりは。心底。」
「ああ、駄目ならいい、最初は見てるだけでも」
「み……みる?見る!?
見るの?見ちゃうの??まじまじと???
前回でもう既に彼岸をみたとおもっていたが、これはもはやワールドワイドに論外である。なにかちがう宇宙に出ている。すくなくとも銀河系ではない。
ありえない。
こればっかりは、今日という今日は、断固として拒否しなければ、とグーデリアンが目を発光させたり鼻孔から煙幕出したりしていると、ぽつりとつぶやく声がきこえた。
「ひとりでやれっていうのか?」
え、とグーデリアンが顔をあげると、おもいつめたようなハイネルの顔が、まつ毛もふれそうな距離にある。
「セックスのたびに、こんな汚いことを、じぶんひとりで?あんまりだ」
うつむいて下唇を噛むしぐさは、見たこともないほどたよりなく、うすく水膜のはったみどりの目からは、いまにも水滴がこぼれおちそうで、こらえるようにまばたきする睫毛が、ちいさくふるえているのをみて、もうぜったいまちがいなくいいようにされてるのはわかっていたけれど、グーデリアンはこれ以上の抵抗を断念した。
「み……み……みてるだけなら……」
「ありがとう!」
ばふ、と細いからだが文字どおりしがみついてくる。
性懲りもなく警句をいいつのろうとしていたグーデリアンだったが、密着したからだのおだやかな体温と、うでのなかにおさまってしまうこころもとなさに、またしてもあらかたどうでもよくなってしまい、ついついぎゅうとだきしめかえしてしまう。

やっぱりすんごくかわいい……。

もういいや、どうにでもしてくれ、とさしあたっての抱きごこちに感動しながら、肩や腰の骨格を夢うつつでなでまわしていると、ハイネルがすいと身をはなした。
おぼえのあるタイミングに、グーデリアンがやや正気にもどってみると、なにやら重量のある袋をひっさげたハイネルが、するりとうでを組んでくる。
「じゃあ、さっそく行こうか」
「な……なに?その、はみださんばかりの器具は」
訊かなくてもそこはかとなくわかってしまい、ゆびさす右手もふるえがちなグーデリアンを、ハイネルはイノセントな笑みで迎えうつ。
「え?いや、べつに今ぜんぶつかうわけじゃないぞ。でもまあ、おいおい、そのうちにとおもって」
そのうちに。ころあいを見はからって。おっつけぼちぼち。
現実逃避からかグーデリアンが類義語を脳裏にならべていると、ハイネルがぽんぽんと肩をたたいた。
「だいじょうぶ、つかいかたならおしえてやるから」
「いい!いい!いらない!!」
「なんだ、知ってるのか。じゃあ安心だな。さ、はやくバスへいこう」
うららかな春の日に、ちょっとそこの川原までピクニックへいざなうような甘酸っぱいさわやかさで、ハイネルはほほえむ。
それはやっぱり、なんの因果かものすごく恋に落ちてるグーデリアンには、いやおうなしに天使の微笑で。
でもちがうって、つか見てるだけってゆったじゃん、そんな長くて黒い管のつかいかたなんてしらないのに……!!と、なかなか板についた金魚具合で口をぱくつかせるグーデリアンだったが、おそろしいほどのちからでうでをひっぱっていく恋人には、なにひとつ届いていない。

安息のベッドルームまでの道のりは、あくまでとおい。



################################ >>第参話 「処変はれば御相手も変はつて、往きます。

間があきましたが裏第2弾です。
前回とくに怒られなかったので、すきなようにエスカレートさせておりますがご了承ください。
ええと今回のテーマはかわいくスカト(以下空襲)
次回ははんぶんくらい書いてありますがアップ日は未定。というか書き上げるか未定。
期待しないでまっててね!はたしてだれが読んでいるやら。

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